道路占用許可、使用許可
野外でのイベントを実施する際,多くの場面で必要となるのが道路占用許可、使用許可です。
本来道路とは歩行者、自動車が利用するものであり、それ以外の目的で道路上に物を設置したり使用する場合はそれぞれ許認可が必要となります。
占用許可と使用許可の違い
看板の設置を例にしてみます。
道路占用許可は道路に物を「置く」行為です。看板を設置することで歩行者の通行の妨げになったり、風で飛ばされて周囲の人に怪我をさせる恐れがあるため、許可なく道路に看板を置くことはできません。ただし許可権者が認めた場合には、必要な書類をもって申請することで、道路占用許可を得ることができます。
一方、道路使用許可は、看板を設置するための作業そのものを含めて道路を使用する行為です。車両で看板を搬入し、看板を設置するための作業を行い、搬出するまでの一連の行為です。これらの行為も占用許可と同じく歩行者等の妨げになるため、原則認められていませんが、申請によって許可を得ることができます。
まとめると、看板の設置にかかる一連の行為は使用許可。看板を設置している期間は占用許可が必要となります。多くのケースで両方の許可が必要となりますので、セットで申請を行うと覚えておけば大丈夫です。
自治体と警察に申請が必要
占用許可は道路を管理する自治体(市道なら市役所、県道府道なら都道府県)へ、使用許可は警察へ申請はする必要があります。
ただし、どんな理由であっても申請が認められるというわけではありません。
先ほども述べた通り、道路は本来歩行者や車両の安全な通行が求められるため、公共性や必要性(道路工事、自治体と共催するイベントなど)が認められない限り許可はなかなかおりません。
イベントを立ち上げてすぐに道路上で何かを実施するのはハードルが高いため、始めのうちは屋内や公園などの会場で実績を積み、徐々に自治体や関係団体に協力を求めていくのが良いでしょう。
許可を得るために必要な資料
実際に占用、使用許可を得るためには、様々な資料を申請書類に添付する必要があります。
具体的には下記の2つです。
- 実施概要(目的、期間、イベント内容、想定来場者数)、
- 警備計画(警備員の配置、緊急時の連絡先、会場図面、通行規制するための迂回路、近隣住民)、地元住人への説明(通行止め、雑踏)
申請の際に特に必要となるのは2の警備計画です。道路上で行う行為に対し、歩行者の導線や安全の確保がなされているかを確認されます。
実際に申請を行うまでに、各申請機関と事前協議を行い、必要な警備体制について指示がありますので、それらを警備計画上に反映させる必要があります。
特に規模が大きいイベントになると、細かく指示されることがありますが、指示に従わない場合、申請を受け付けてもらえない可能性があります。本番ギリギリで協議を始めると、想定していた警備計画から大きく修正が求められることもありますので、できるだけ早めに事前協議を行うことが大切です。
申請内容は遵守
許可なく実施することは論外として、警備計画など事前に申請した通りに道路を占用、使用することはイベントを継続的に実施する上でとても大切なことです。
警備計画と異なった警備員を配置していたり、予定と違うもの設置していたことが原因で何らかの事故が起きた場合、予定通りに行っていた場合に比べてはるかに主催者側に問われる責任は重たくなります。
イベント自体を守るため、主催者の身を守るためにも、きっちりとした申請内容に基づき実施することが大切です。